2022-06-21
「親の不動産を相続したけど、遺産分割協議の進め方がわからない」とお悩みではありませんか。
今回の記事では、不動産を相続する方に向けて、遺産分割協議の進め方について解説します。
起こりやすいトラブルと解決策についてもまとめているので、事前に把握してトラブルのない遺産分割協議を進めましょう。
北九州市で相続した方、また相続の予定がある方はぜひ参考にしてください。
\お気軽にご相談ください!/
まずは遺産分割協議とはなにか、そして遺産分割協議の進め方についてご説明します。
相続したとき、相続人が複数いる場合は遺産分割協議が発生します。
遺産分割協議とは、相続人の全員で、相続財産をどのように分けるか話し合うことです。
相続人が多くいる場合などは、全員で集まっての話し合いが難しいケースもあるでしょう。
そのような場合は、手紙や電話を通しての話し合いも有効とされています。
ただし、遺産分割協議を成立させるためには相続人全員の同意が必要になるため、慎重に話し合う必要があります。
相続人の1人が勝手に決める進め方や、多数決で決める進め方は無効になるので注意しましょう。
また、相続人が複数いても被相続人が有効な遺言書を残している場合は、基本的に遺産分割協議をおこなう必要はありません。
遺言書とは、被相続人自身が「死後に相続財産をどのように分割するか」を意思表示するための書面です。
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類あり、遺産分割協議の前に遺言書の有無を確認することが先決です。
遺言書は、公証人役場や銀行の貸金庫に保管されている場合や、信託銀行や弁護士などに保管してもらっている場合があります。
あとで見つかった場合は、遺産分割協議がやり直しになるため、しっかりと探しましょう。
もし遺言書があれば、その内容にしたがって遺産分割をおこなう進め方になります。
ここからは遺産分割協議の進め方を時系列順に解説します。
①だれが相続人にあたるのか調査する
遺産分割協議は相続人全員でおこなわなければ、効力を発揮しません。
そのため、最初のステップでは相続人がだれか特定する必要があります。
相続人特定の進め方とは、被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍を調査することです。
所在がわからない相続人がいても、戸籍附票を参照すれば現在どこに住んでいるか調べることができます。
②なにが相続財産なのか調査する
相続人調査と同時並行で、被相続人から引き継がれる相続財産とはなにか、リストアップすることも必要です。
相続財産の種類は多岐にわたります。
不動産をはじめ、現金や有価証券、宝石、特許権、著作権など経済的価値を持つものすべてが対象です。
③相続人全員で話し合う
相続人と相続財産がすべて特定されたら、遺産分割協議をおこないます。
分割方法の目安となるのが、民法で定められた法定相続分です。
法定相続分は以下のとおりです。
子どもがいるケース(第1順位)…配偶者は1/2、子どもは1/2を人数で分割
子どもがおらず父母がいるケース(第2順位)…配偶者は2/3、父母はそれぞれ1/6
子どもと父母がおらず兄弟がいるケース(第3順位)…配偶者は3/4、兄弟姉妹は1/4を人数で分割
必ずしも法定相続分に従う必要はありませんが、1つの参考になります。
個別の事情なども考慮して、公平に分けられる方法を話し合いましょう。
④まとまった内容を遺産分割協議書に残す
だれがどの財産を相続するか、話し合いがまとまれば遺産分割協議書に記録します。
遺産分割協議書とは、相続人全員で合意した内容を明らかにする書類です。
記載する項目には、以下のようなものがあります。
決められたフォーマットはなく、パソコンでも手書きでも問題ありません。
ただし相続人全員の署名と捺印がない場合は無効になるため注意しましょう。
完成した遺産分割協議書は、相続人のそれぞれが1通ずつ保管します。
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遺産分割協議は相続人全員でおこなうため、意見が折り合わないなどトラブルが発生しやすいです。
遺産分割協議のトラブルとはどんなものなのか、具体的な事例を見ていきましょう。
①相続人の範囲が広すぎてトラブルになる
遺産を引き継ぐ相続人が多すぎると、意見が割れてトラブルになりやすいです。
たとえば、被相続人に子どもがたくさんいる場合や、被相続人と離婚した元配偶者との間に子どもがいる場合です。
遺産分割協議前から相続人同士の関係が良くないと、遺産分割協議が引き金になって関係性がさらに悪化してしまうことも考えられます。
また、人数が多い場合は、全員の意見をまとめることに時間を要します。
海外に住んでいる相続人がいる場合は、連絡を取り合うのにも一苦労でしょう。
②不動産を公平に分けられずトラブルになる
現金と比べて、不動産は物理的に分割しにくいです。
そのため、不動産の分割方法を巡ってトラブルが起きやすくなってしまいます。
仮に1人の相続人が不動産を相続しても、ほかの相続人が不公平感を感じやすいです。
公平に分ける目的で、1つの不動産を共有するケースもありますが、あまりおすすめできません。
共有不動産は売却や建て替えをおこなう際、ほかの共有者の合意を得なければならないからです。
③不動産の評価方法でトラブルになる
相続財産に不動産がある場合は、評価額をもとに相続税などを計算する必要がありますが、評価方法は複数あります。
どの評価方法でおこなうか、相続人の間で意見が合わないことも少なくありません。
④被相続人と同居していた相続人とトラブルになる
被相続人と同居していた相続人と、トラブルになることもあります。
「親の介護をしていたから」「住む場所がないから」という理由で、一方的に家の相続を主張するケースもあるでしょう。
そうなるとほかの相続人と対立してしまい、協議は平行線をたどってしまいます。
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遺産分割を巡ってトラブルが発生すると、親族間の関係も悪くなってしまいます。
ここでは、トラブルを発生させないための解決策をご説明します。
①遺言書を作成する
まずは親の生前に相続財産について話し合っておき、遺言書を作成してもらいましょう。
遺言書の作成は、遺産分割のトラブル発生率を減らす解決策として有効です。
遺言書があれば基本はその内容に従うので、そもそも遺産分割協議を実施する必要性がありません。
ただし、特定の相続人に偏った内容になっていると、ほかの相続人が納得しない恐れがあります。
弁護士などプロに相談して、適切な内容を記すことが解決策です。
スムーズに遺言の手続きをおこなうために、遺言執行者を決めておくことも大切です。
②協議が長期化する場合は調停による合意を目指す
意見が折り合わないまま何度も協議を続けていると、精神的なストレスがかかってきてしまいます。
そのような場合の解決策として、家庭裁判所の遺産分割調停を利用するのも手です。
第三者の客観的な意見をもとに協議を進めることで、合理的な協議をするための解決策になります。
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遺産分割協議の進め方は相続人全員で話し合うことが肝心であり、相続人と相続財産を漏れなく調査することがスムーズな成立への第一歩です。
とくに不動産が相続財産に含まれる場合は相続人間でのトラブルに発展しやすため、弁護士や不動産会社と相談しながら遺産分割協議の進め方を検討しましょう。
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