2022-12-20
相続が発生すると、被相続人の財産を相続人同士でわけるのが一般的です。
しかし、遺言や生前贈与などによって特定の方に財産が集中すると、不公平な相続となってしまいます。
そこで民法では、一定範囲の相続人に対し「遺留分」というものが認められています。
今回は不動産の遺留分についてまとめましたので、北九州市で不動産を相続する予定の方はぜひ参考になさってください。
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まずは、不動産における遺留分とはなにかをご紹介します。
遺留分とは、法定相続人が相続できる最低限の財産のことです。
被相続人は、不動産などの財産を遺言で遺したり生前贈与したり、分配方法を自由に決めることが可能です。
そのため、相続が発生した時点では、すでに相続できる方や割合が決められているケースも少なくありません。
しかし、法定相続人であれば、生活保障などの観点から被相続人の意思に関係なく最低限の取り分を確保できます。
遺留分とは、遺言や遺産分割協議よりも優先される強い権利といえるでしょう。
法定相続人とは、被相続人の夫や妻、血縁関係にある親族などです。
法定相続人は、民法第887~890条で定められています。
そのため、遺言で配偶者に対する相続分が指定されていない場合でも、最低限の取り分は確保することが可能です。
遺留分の取得割合や優先順位は、法定相続人によって下記のとおり異なります。
このように、法定相続人だからといって必ず遺留分を相続できるとは限りません。
夫や妻が亡くなっている場合、遺留分はそのほかの法定相続人で分配することになります。
下記に該当する方は、法定相続人であっても遺留分が認められていません。
兄弟姉妹には、遺留分が認められていないので注意が必要です。
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続いて、遺留分の計算方法や不動産評価額の決め方を解説します。
相続した財産が現金などであれば、スムーズに分配できるケースが多いです。
しかし、不動産の場合は価値が変動するため、どのように評価すれば良いか悩む方も多いのではないでしょうか。
不動産の遺留分を計算する際、まずは不動産の価値を調べる必要があります。
不動産の遺留分の評価額は、相続開始時点の評価額を基準に算定します。
そのため、生前贈与があった場合は不動産価格の換算が必要です。
相続開始までに不動産の価値が下がっていると遺留分も少なくなり、価値が上がっていれば多くなります。
遺留分は「遺留分算定の基礎となる財産額」に「個別的遺留分の割合」を乗じ、計算します。
この遺留分算定の基礎となる財産額が評価額です。
不動産を評価する方法は、下記の4つです。
固定資産税評価額は、不動産の固定資産税を決める際に用いられます。
遺留分の基礎財産のうち、建物の評価は固定資産税評価額を基準にするケースが多いです。
毎年市町村から送付される、課税明細書や固定資産評価証明書、市町村で保管している固定資産課税台帳で確認できます。
路線価とは、相続税や贈与税の課税額を計算するために利用される評価額です。
道路ごとに定められており、その道路に面した土地の面積1㎡あたりの価格が路線価となります。
毎年1月1日の時点の評価額が夏ごろに公表されるため、国税庁のホームページでチェックしてみましょう。
また、遺留分の評価方法として、地価公示価格と地価調査標準価格も用いられます。
地価公示価格とは、毎年国土交通省が公表する1月1日時点の土地の価格のことです。
2人以上の不動産鑑定士が土地を調べて評価し、国土交通省の土地鑑定委員会が審査して決定されます。
地価調査標準価格では、地価公示価格の範囲外のエリアの土地の価格を確認できます。
時期をずらして調査されることもあるので、地価公示価格の補完的なものといえるでしょう。
また、評価額は実勢地価で調べることも可能です。
実勢地価は実際に取引された不動産の価格のため、明確な基準はありません。
国土交通省のホームページ上にある、不動産取引価格情報検索で過去の実勢価格を調べられます。
不動産の評価方法は複数あるため、どの方法を用いるかは相続人同士で決めることになります。
相続人全員の意見が一致しないと遺留分を決定できないため、しっかり話し合うことが大切です。
また、先述したとおり、相続開始の時点の評価額が基準となります。
話し合いがまとまった時点で価値が上下したとしても、用いられるのは相続開始の時点の評価額です。
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最後に、遺留分の不動産評価額が決まらない・合意できない場合の対処法を見ていきましょう。
相続人同士で評価額の決め方を協議しても、話がまとまらない可能性があります。
遺留分を請求される側が、快く思わないケースがあるからです。
評価額が決まらない場合の対処法として、まず不動産鑑定士に鑑定をお願いすることが挙げられます。
先述したとおり、不動産の評価方法は複数ありますが、裁判で優先されやすいのは不動産鑑定士による評価額です。
国家資格を有した不動産鑑定士に依頼すれば、正当な評価額を計算してもらえます。
ただし、不動産鑑定士に鑑定を依頼する場合は、30~40万円ほどの費用が必要です。
遺留分の計算にあたり、不動産の評価額が決まらない場合は弁護士を立てることも可能です。
相続人同士では感情的になってしまい、話し合い自体が難しくなるケースも珍しくありません。
そのような場合は弁護士に相談し、法律的な観点からアドバイスをもらうと良いでしょう。
不動産の評価方法に納得していない相続人に対し、交渉してもらうことも可能です。
弁護士によって話し合いがまとまれば、裁判をせず遺留分を決められます。
不動産鑑定士や弁護士を介しても評価額が決まらない場合、裁判所に遺留分侵害額請求を申し立てることになります。
法的に争うことになりますが、遺留分の取得の有無を強制的に決定できるのがメリットです。
ただし、裁判官が金額を決定するため、必ずしもご自身の請求が認められるとは限りません。
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遺留分とはなにか、不動産評価額の決め方や決まらないときの対処法を解説しました。
定められた法定相続人であれば最低限の取り分を相続できますが、評価額が決まらない場合、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
北九州市で不動産を相続するご予定の方は、私たち「不動産ふたみん」にご相談ください。
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